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coloring tradition

《伝統を塗り絵する》 2017

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《伝統を塗り絵する》と題した本展覧会は、2017年8月24日(木)から9月24日(日)まで の秋吉台国際芸術村での滞在制作のリサーチと、それに続く制作を経て実現した展覧会で、山口県内の12人の職人さんたちに焦点を当てたリサーチをもとに結実した成果です。伝統として維持していくもの、時代に合わせて変化させていかなければならないもの、リサーチを進めるうえで職人さんたちの様々な苦悩や葛藤についてお話を聞くことができました。その状況に現代美術の視点で新しい打開策のきっかけを提案するという意味も含めて制作した作品群です。
形や色など、形式の決まった工芸作品などを少しずつ抽象化していくプロセスを視覚化したものが、《静物画健在》の3点や《抽象水彩静物画》です。人物を除いて、人工物などを自由に配置して描くヨーロッパの絵画形式である「静物画」(Still Life)を参考にし、特にその中で取り扱われるカテゴリーの一つである「儚さ」(Vanitas)と、ものづくりの職人さんたちが制作される作品を取り巻く状況を重ね合わせた作品です。色を排除したり、輪郭線だけにしたり、まったく形を変化させたりして、子供達に馴染みのある塗り絵の形式にすることで、色や形の想像を誘発する視覚的な試みです。
《作り手》は実際に職人さんたちの工房でお話を伺った際に撮影した動画を、極力手先の動きに焦点を当てることで、普段、馴染みのないものづくりの制作過程を神秘的に映し出すビデオ作品です。全部で12場面で構成され、それぞれ15秒から1分30秒ほどの断片化された超短編場面をつなぎ合わせた内容になっています。  
《神様たちの聞く音色》は、《作り手》のビデオ作品が持つ職人さんたちの神秘的な印象を、フィクションとして神話的に書き下ろした短編の文章作品です。実際の取材をもとに発展させた内容で、文章を通して観念的に想像を膨らませる試みです。文中にはビデオや平面作品では表現されていない美術史や美術作品などを想起させる内容も含まれています。
伝統の維持や時代に合わせた変化の間で起こる苦悩や葛藤を抽象的かつ観念的に事実とフィクションを織り交ぜた作品群として、また、山口県内の工芸を新たな視点と感覚で見ていただける機会として、新たな理解や解釈を楽しんでいただければ幸いと思います。

[ご協力いただいた職人のみなさま ](*ビデオ再生順序) 提灯 : 大谷提灯店 土鈴 : 民芸くらもと 石材 : 安藤石材 萩焼 : 明善窯 赤間硯 : 日枝玉峯堂 木工家具 : 中原木材工場 染物 : 岡本染工場 石人形 : 岩国石人形資料館 柳井縞 : 柳井縞の会 金魚提灯 : やない西蔵 蜜蝋 : 秋山養蜂 大内塗り : 中村民芸社                   

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