the voyage to the unknown territories...2019

《未知の領域への航海...》2019
 インスタレーション

旅、運命、神話、ロマン...人類の歴史にはいつも未知への好奇心があり、旅をしながら発見をしたり、なんらかの神秘的な体験をしたりして、世界と自己の関係性の理解が深められ、世界観や価値観が形成されてきました。
異分野への旅、宇宙への旅、歴史への旅、精神世界への旅など、様々な領域への旅が我々の人生に複雑な意味をもたらしています。現代で生きていく上で、人生を含め、これらの旅で獲得する価値観の根底には、実は本来意図していなかった意味も派生していることは確かだと思います。
宗教の時代、植民地主義の時代、資本主義の時代、ポストコロニアル時代と、その時々で受容される価値観と排除される価値観があり、文化形成や政治的な判断に重要な影響を与えてきました。また、それらの時代には奇跡というような出来事や自然現象も多く起こり、人類の行く先に影響を与え、過去から現在に、そして現在から未来へと続いています。
今回の展覧会では、2010年〜2019年の間に制作した数々の作品で構成した「未知の領域への航海...」というタイトルの展覧会になります。2010年から2019年の間に、作者が様々な場所を旅し、滞在制作をして、制作してきた作品で、物理的にも旅を通して素材やアイデアの収集をし、また作品自体もキーワードとなっている旅、運命、神話、ロマンなどを扱っています。 旅というのは基本的には時間という一つの「線」としての流れがある一方、取り扱っているアイデアの無作為性には、星座のような恣意的な「点」での繋がりを見いだすことも、アートの領域で独特に表現できる領域だと考えています。
この作品構成で扱ったトピックを通して、有史以前の洞窟壁画、ギリシア神話、イスラム圏の世界旅行家、未来予知能力者、先端素材、隕石などを素材として取り扱うことで、人類の長い歴史とその中での様々な文化や価値観に関する視線に触れ、我々の取り巻く世界や現代社会に生きる個人の意味を考える機会と捉え、さまざまな対話ができることを期待したものとなっています。